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12 釜の蓋が開いた

オープン時の物珍しさは薄れ、徐々にお客も減り

ひいきに遊びにきてくださる常連が平日にチラホラ

来て下さるくらいになり大きく不安が膨らんできていた

2か月目に入ったある日、珍しく1組のグループが

遊びに来られてホッとしていた時にその人たちは

現れた、結構強めにお店の扉を開け入ってきたのは

バーで働いてそうな今時の格好の若干強面の男性と

その後ろにはラーメン屋の看板にありそうな腕組をした

男女が立っていた

「あんたが『あにゃん』さん?ちょっといい?」

お客さんもいたので店の外の廊下に出て話すことになった

「家賃が振り込まれてないって何度も俺の携帯に電話が

入るんだよね」・・・?・・・!?

へ?いやいやいや家賃はMに手渡ししてたし

そのことのやりとりしたLINEを見せた

聞くとその男性はMがこのお店を借りるときの保証人と

Mの元奥さん(?)だった

この店を借りるときに「6月分の家賃を手付け代わり」とか

言われて5月から電気代と一緒に3か月間渡し続けている

それが払われていないとのことだった・・・

鳥肌が立った、体が震えだした体中の血が脳に上がって

吹き出しそうになるってこういう状況かって別の自分が冷静に

分析できるくらい

と、いうのも先日家賃の支払いが遅れそうになりラインを送ったら

こんな返事が来た

といってた本人が渡していた家賃を払ってなかったので

催促の連絡が入り本人が出ないので保証人に連絡が入ったのだった


男性には平謝りしてMに男性たちがきたことを話し振込みを確認すると

忙しくて行けなかったとのこと・・・こわくなってきた

とりあえず振り込むし男性には説明しとくとのことだったので

「忙しいなら俺が直接振り込むので振込先を教えてくれ」と伝えた

そこでわかったのだがMは保証会社から家賃が払えず3か月ほど滞納していた

上の文面を俺に送ってきた男がだ

なので家賃は通常よりも利子が付き割り増しなのだ


頭が真っ白になった何かあるだろうと思ったら2か月目でこれだ

慌てて準備してやっと営業できるようになったのに

そこでやめればいいのに

「開けて2か月も持たずに閉店した伝説の店」とSNSとかで言われそうと

周囲への目を気にして続けることを選んでしまった

そこで話は終わらない・・・地獄の釜の蓋は開いたのである

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